放射線計測協会③

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「放射線計測に係る研修及び知識の普及」
 放射線計測、放射線管理等の分野の業務を的確に遂行できる質の高い人材を養成するため及び一般の人々が原子力の知識を習得するために、各種定期講座、放射線業務従事者教育訓練及び放射線安全教育等を行っています。
また、社会から原子力・放射線の利用促進に一層の理解を得るため、学生を含む幅広い層の人々に対して放射線知識の普及活動も行っています。

定期講座
 国・地方公共団体、原子力・放射線関連事業関係者やその他一般の人々を対象として、放射線計測の知識と技術の習得のための各種講座を行っています。

以下に平成30年度に行われた講座について示します。

原子力教養講座
 地方自治体や消防暑の職員、原子力関連職場の事務系及び初級技術系の方、小中高校の教職員並びに一般の方で、原子力の基礎知識を身につけようとする方を対象とし、原子力エネルギー技術から放射線利用まで原子力全般の分かり易い解説とともに、放射線測定実習や施設見学等の実体験を通じて、原子力の基礎的な知識を身につけることを目的としています。
・開催日程
第29回 平成30年 8月22日~ 8月24日(3日間)
第30回 平成30年12月12日~12月14日(3日間)
・受講料
1名あたり22,000円(3日間;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。

原子力防災入門講座
 原子力防災に関連した広範な講義と放射線防護活動に必要な基礎実習を取り入れた内容となっており、実際の防護活動に有用な基本的知識の習得と放射線測定に十分な体験ができます。
・開催日程
第2回 平成30年 7月12日~ 7月13日(2日間)
第3回 平成30年10月18日~10月19日(2日間)
・受講料
1名あたり19,000円(2日間;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。

放射線管理入門講座
 放射線管理業務に従事しようとする方を始め、放射線管理の基礎的知識や実務の初歩を一通り習得しようとする方を対象とし、放射線管理の実務に重点を置いた講義と実習により、放射線管理の基本的な知識と技能の習得を目的としています。
・開催日程
第77回 平成30年 5月28日~ 6月1日(5日間)
第78回 平成30年 9月10日~ 9月14日(5日間)
第79回 平成31年 1月21日~ 1月25日(5日間) 
・受講料
1名あたり54,000円(5日間;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。

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放射線管理計測講座
 放射線管理業務に従事している中堅技術者の方で放射線計測技術をより深く習得したい方を対象とし、各種の放射線測定器を使用した実習などに重点を置き、放射線管理に要求される中級程度の知識と技能の習得を目的としています。
・開催日程
第128回 平成30年 6月18日~ 6月22日(5日間)
第129回 平成30年11月 5日~11月9日(5日間)
・受講料
1名あたり56,000円(5日間;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。

放射能測定講座
 地方自治体、各種団体、一般企業に必要とされる放射能測定技術の習得を目的とする、初心者にも分かり易い実習主体の内容になっています。食品や土壌等の放射能汚染濃度の評価を担当する部署の自治体職員の方、汚染に係る環境中の放射能測定に従事する方など、放射能測定の基礎的知識を習得しようとする方に適した講座となっています。
・開催日程
第17回 平成30年11月28日 ~ 11月30日
・受講料
1名あたり60,000円(3日間;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。
1名あたり42,000円(2日間;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。
1名あたり23,000円(1日のみ;テキスト代込)*別途消費税が必要となります。

 原子力・放射線施設の放射線管理区域内で業務に従事する人は、放射線に関する正しい知識が必要であり、教育訓練が法律により義務付けられています。このような人を対象に教育訓練を行っています。

定期開催の放射線業務従事者教育訓練の日程 ~月2回開催予定~
開 催 日
受講コース・時間(各開催日共通)
平成30年12月19日(水)
初期教育コース 10:00 ~ 17:00
再教育コース  10:00 ~ 12:00
平成31年1月16日(水)
平成31年2月6日(水)
平成31年2月28日(木)

初期教育コース
(放射線障害の防止に関する法律に基づく教育)
教育時間 : 6時間
料金   : 1名あたり15,000円(テキスト代込)*別途消費税が必要となります

再教育コース
(放射線障害の防止に関する法律に基づく教育)
教育時間 : 前回の教育日時によって6時間又は2時間となります。
料金   : 6時間の場合:1名あたり15,000円(テキスト代込)*別途消費税が必要となります
       2時間の場合:1名あたり5,000円(テキスト代込)*別途消費税が必要となります

英語コース
(放射線障害の防止に関する法律に基づく教育)
開催日程・料金等 : お問い合わせ

特別教育コース
(電離放射線障害防止規則に基づく教育(放射線管理手帳に記載の略号:a))
教育時間 : 5.5時間
料金   : お問い合わせ

このように放射線計測協会では放射線に関する多くの講座が行われています。

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放射線計測協会②

「放射線・放射能の計測」
 高度な測定システムと長年蓄積された経験・技術に基づいて、各種の放射能、放射線測定に関する要望に応じています。

1)放射能測定
放射能の有無を知りたい、放射能濃度を正確に測定したいなど、目的に応じて測定方法を選択します。

①ガンマ放射能
 放射性物質の多くは、決まったエネルギーのガンマ線を放出しますので、この数を測定することにより放射能濃度を正確に求めることができます。
・天然の放射能か人工の放射能かを判別
・測定したい放射能の量や濃度によって、試料量や測定時間を決定
・ゲルマニウム半導体検出器を使用

②全ベータ放射能測定
 ベータ線は、物質に吸収されやすいことなどから、正確な放射能を測定するためには抽出分離など特別な処理が必要となりますが、ここでは、主に以下の目的で全ベータ放射能測定を実施することができます。
    (1)放射能の有無を調べる
    (2)放射能のレベルに変動がないか定期的に検査する
・天然の放射能と人工の放射能を区別せずに測定
・測定したい放射能の量や濃度によって、測定時間を決定
・水試料の場合には、蒸発乾固等の前処理を実施
・比例計数管式アルファ/ベータ同時計数装置を使用

③全アルファ放射能測定
 アルファ線は、紙1枚で止まってしまうほどの透過力なので、ほとんどのアルファ線は測定したい試料の中で吸収され、一部のアルファ線のみが表面から飛び出してきます。ここでは、主に以下の目的で全アルファ放射能測定を実施することができます。
     (1)放射能の有無を調べる
     (2)放射能のレベルに変動がないか定期的に検査する。
・天然の放射能と人工の放射能を区別せずに測定
・測定したい放射能の量や濃度によって、測定時間を決定
・水試料の場合には、蒸発乾固等の前処理を実施
・比例計数管式アルファ/ベータ同時計数装置を使用

2)放射線測定
 私たちの身の回りには、地球起源や宇宙起源の放射線や放射能が存在します。これらは人間の五感に感じないため、放射線測定器を用いてその存在を知ることができます。身の回りの放射線の中でもガンマ線は外部被ばく線量の大部分を占めています。
①ガンマ線の線量率測定
 身の回りの放射線測定のほか、以下の目的などでガンマ線の線量率測定を実施することができます。
     (1)各種試料からのガンマ線量率測定
     (2)土地、建物等のガンマ線量率測定
     (3)原子炉施設、加速器施設等のバックグラウンド調査
     (4)空間線量率の組成調査
・出張測定が可能
・エネルギー補償型NaI(Tl)シンチレーション式線量率測定器等を使用
・空間線量率の組成調査では、可搬型ゲルマニウム半導体検出器を使用

3)バイオアッセイ
 尿中の放射能を測定することにより体内に放射能の取り込みがあったかがわかります。

天然ウラン
検出下限 : 約5ngU/L
測定装置 : 誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)
トリチウム
検出下限 : 約0.5kBq/L
測定装置 : 液体シンチレーション計数装置
ガンマ放射能測定
天然の放射能か人工の放射能かを判別
検出下限 : 放射能の種類によって異なる(セシウム137で約3mBq/mL)
測定装置 : ゲルマニウム半導体検出器
全ベータ放射能測定
測定対象 : リン、ストロンチウム、バリウム、鉛等の元素のうち、ベータ線を放出する放射能
検出下限 : 約0.1Bq/L
測定装置 : 比例計数管式計数装置
全アルファ放射能測定
測定対象 : アクチニウム、トリウム及び超ウラン元素のうちアルファ線を放出する放射能
検出下限 : 約5mBq/L
測定装置 : 比例計数管式計数装置

4)作業環境測定
 作業環境測定法施行規則別表の第2号に掲げられた作業場における外部放射線による線量当量率と空気中の放射性物質の濃度を測定することができます。
・放射線業務を行う管理区域
・放射性物質取扱作業室
・事故由来廃棄物等取扱施設
・坑内における核原料物質の掘採業務を行う作業場

【業務実施手順】
作業環境測定は、以下の手順で測定します。
デザイン
①サンプリング・測定地点、採取・測定方法等をご提案
サンプリング・測定
②デザインに基づき作業場の空気中じん埃等の採取、線量当量率等の測定を実施
放射性物質の濃度測定
③放射能の種類に応じた測定器で放射能濃度を測定
評価
④測定結果及び管理基準に対する評価結果をご報告
【関連する放射線測定等】
労働安全衛生法で義務付けられている作業環境測定のほか、下記の測定が可能です。
    (1)表面汚染密度測定
    (2)水中放射能濃度測定

放射線計測協会①

放射線計測協会についてです。

所在地は茨城県那珂郡東海村白方白根2-4です。

事業内容についてです。

「放射線計測の信頼性確保に係る調査・試験研究及び技術開発」
 原子力・放射線施設の安全性向上のために必要な放射線計測に関する調査及び試験研究業務を行っています。また、より信頼性の高い放射線計測の実現のための放射線・放射能の標準移行技術等の開発を行っています。

受託研究業務の実績を以下に示します。

文部科学省
・熱ルミネッセンス線量計の測定精度の確保に関する試験調査
・放射線施設の遮へい能力評価方法に関する調査
・原子力発電施設等従事者安全対策技術調査
・放射線計測機器の規格化に関する対策研究
日本原子力研究開発機構
(旧日本原子力研究所)
・RI廃棄物等の処理処分に係る調査検討
・Spring-8バックグラウンド測定
・タンデム加速器によるRI加速施設の検討
・内部被ばく線量係数計算用放射線データの解析作業
電力関係
・放射線による被ばく線量評価手法に関する研究
・警報線量計の現場における測定精度に関する調査研究
・放射線計測機器校正の標準化に関する研究
・個人線量計の高度化実証研究
・電子式個人線量計を用いた個人線量管理に関する情報収集調査
地方公共団体等
・空間線量の核種組成調査
・放射線疫学調査に係る線量記録の整合性の調査
・海外原子力施設の線量計測に関する調査
・放射線監視体制及び放射線監視設備等整備のあり方に関する調査

「放射線測定器の校正、基準照射及び特性試験」
各種放射線測定器についての点検・校正等を行っています。

点検校正
トレーサビリティのとれた校正場でサーベイメータをはじめとする放射線測定器の点検校正を実施します。
校正前に回路点検等を行い、機器の健全性を確認 。
線量率計や汚染検査計など対応機種多数 。
   X線、γ線用サーベイメータ、中性子サーベイメータ(レムカウンタ)
   α線、β線表面汚染検査用サーベイメータ、電子式個人線量計など
X線とγ線の校正は、JIS Z 4511に、中性子の校正は、JIS Z 4521に準拠。
β核種やα核種の汚染検査計の校正はJIS Z 4504に準拠。

基準照射
トレーサビリティのとれた校正場で線量計測用素子の基準照射を実施します。
   (1)個人線量計測用素子の基準照射
   (2)環境モニタリング用線量計測素子の基準照射
   (3)線量評価の品質確認のためのブラインド照射試験

特性試験
トレーサビリティのとれた校正場で各種放射線測定器の性能試験を実施します。
   (1)感度特性試験
   (2)エネルギー特性試験
   (3)線量、線量率直線性試験
   (4)方向特性試験
   (5)指示誤差試験

使用する線源
線量(率)計の校正、基準照射、特性試験   
   ・X線 : 11keV~200keV(QI=0.7,0.8,0.9)
   ・γ線  : 137Cs,60Co,241Am,226Ra
   ・β線  : 90Sr‐90Y,204Tl,147Pm
   ・中性子: 241Am-Be(速中性子,黒鉛による減速中性子場),252Cf(速中性子,黒鉛による熱中性子場)
   ・単色中性子: 144keV~14.8MeV

汚染検査計の校正、特性試験   
   ・α核種 : 241Am
   ・β核種 : 36Cl,90Sr‐90Y,3H,14C

水モニタ、ガスモニタの校正   
   ・水モニタ : 51Cr,137Cs,60Co
   ・ガスモニタ: 85Kr,41Ar,133Xe,135Xe

トレーサビリティ
JCSSとは?
・計量法に基づく校正事業者登録制度です。

トレーサビリティとは?
・一般的には校正の連鎖を通じて国家標準に辿り着くことと理解されていますが、JCSSでは校正結果に不確かさを記すことを前提としています。

JCSS校正ができる測定器等
   ・X線測定器:電離箱式照射線量計(例:EXRADIN A5,A6)
   ・γ線測定器:電離箱式照射線量計(例:EXRADIN A3,A4,A5,A6、PTW TN32002)
   ・γ線測定器:エネルギー補償型NaI(Tl)サーベイメータ(例:HITACHI  TCS-171,172)
   ・γ線測定器:電離箱サーベイメータ(例:HITACHI  ICS-321,ICS-323)
   ・γ線照射装置:137Cs, 60Co ⇒ 出張校正
   ・中性子測定器:中性子サーベイメータ(例:HITACHI TPS-451)

JCSSの校正対象(X線、γ線)   
   ・照射線量(率)
   ・空気吸収線量(率)
   ・空気カーマ(率)
   ・線量当量(率)

JCSSの校正対象(速中性子)   
   ・フルエンス(率)
   ・周辺線量当量(率)
   ・個人線量当量(率)

シンチレーション検出器②

光電子増倍管についてです。

 光電子増倍管は、下図に示すように光電面と順次配列されたダイノードとよはれる電極 (ニ次電子面ともよばれる)および陽極(収集電極)からなります。光が光電面に入射するとそのエネルギーを受けて光の強さにはほ比例した数の電子が放出されます。光電面から出た電子(光電子とよぶ)は電極で加速されて順次各ダイノードに衝突すします。ダイノードもまた光電面と同様、わずかなエネルギーで電子を放出しやすい物質を塗布しているので電子の増倍が行われ、最後に比較的大きな電流となって陽極に集められます。全体の増幅度はダイノードの段数や段間に印可する電圧によって異なりますが105~106の増幅度は容易に得られます。

 波高(エネルギー)分析器についてです。

 シンチレーション検出器を用いて、その出力信号(パルス)を計数するためには、波高分析器が必要です。波高分析器としては、種々の形式のものがsりますが、これらはシングルチャネル波高分析器とマルチチャネル波高分析器に分けることができます。

 シングルチャネル波高分析器には、ある波高(工ネルギー) E以上のパルスのみを取り出して計数する場合と波高EとE十ΔEとの間のパルスを選択的に取り出す場合があります。とくに、前者を積分波高分析器、後者を微分波高分析器とよびます。この場合、Eをベース電圧、ΔEをチャネル幅またはウインドウ幅とよびます。Eを一定に保ち、Eを順次変えて計数すれば波高分布(エネルギースペクトル)が得られます。

 弁別回路への入力波形は、有限の立ち上がり、立ち下がり時間をもっているため、EとE+ΔEを同時に超える入力パルスでもれt1~t2間およびt3~t4間ではEのみを超えています。

 相隣り合った多数のΔE区間の計数を同時に測定できるようにしたものがマルチチャネル波高分析器で、広い波高範囲にわたるスペクトル分布を短時間に測定でさるので多くの利点があり、広く用いられるようになっています。マルチチャネル波高分析器には多くの方式があります。

シンチレーション検出器①

シンチレーション検出器についてです。

シンチレーション検出器の原理です。

 シンチレーション検出器は、下図に示すようにシンチレータ(蛍光体)と光電子増倍管からなります。放射線がシンチレータに入射してその中でエネルキーを失うと、その失ったエネルギーにほぼ比例した光を放出します。この光を蛍光といい、光電子増倍管こ電気的パルス信号に変換した後増幅するもの
です。

 シンチレーション検出器の特徴は、
①放射線と相互作用するシンチレータ(蛍光体)が固体または液体で、その形や大きさがかなリ任意に選択できるので、各種の放射線に適した測定が得られる。
②とくにγ線や中性子に対して感度の高いものが得られる。
③時間分解能が良好である。
④出力パルスを波高分析することによってエネルギーの分析が可能
などです。

シンチレータについてです。

 シンチレータを大別すると無機結晶、有機結晶、プラスチックシンチレータ、液体シンチレータに分けることができます。Y線および比較的エネルギーの大きいγ線の測定には、タリウムを含んだヨウ化ナトリウム〔NaI(Tl)、アントラセン、プラスチックなどの無機または有機結晶体を用います。発生する蛍光の波長は結晶によって異なりますが、約4000Åであるので、光電子増倍管はこの程度の波長の光に対して、もっとも感度よく応答するようにつくられています。

 シンチレータの望ましい特性としては一般的に、
①放射線エネルギーの蛍光への変換効率が高いこと。
②蛍光の透過性がよいこと。
③蛍光の減衰時第が短いこと。
④蛍光の波長分布が使用する光電子増倍管の分光感度に適応しているこ。
などです。

 γ線用にはなるべく原子番号の大きい元素を含むもののほうが検出効率が高くてよいです。

 以下に各種シンチレータの特性のまとめを示します。

放射線計測

放射線計測について書いていきます。

 放射線防護の目的において使用されている放射線測定器(サーベイメータなど)は初回の校正時(購入時)後は、使用者の求めに応じて、計量法に基づく事業所などにおいて校正(国家標準につながるトレーサビリティ体系)を行います。しかしながら、校正にかかる費用、日数などの関係で長期間校正されずに使用されている現状があるとして、これらの測定機による測定の信頼性を確保するため、JIS Z 4511が平成17年3月20日に改正され、新たに「確認校正」が追加されました。確認校正とは、放射線測定器の性能が校正後も維持され、校正定数が継続して使用できるか否かを判定するための校正法です。

次に主な計測器についてです。

まずは電離箱式サーベイメータについてです。

 電離箱内にγ線が入射すると、内部の空気が陽イオンと陰イオンに電離されます。これらのイオンが電極に移動すると10-9~10-14A程度の微電流が発生します。微電流を直流増幅して測定します。

次はシンチレーション式サーベイメータについてです。

 シンチレータにγ線が入射すると蛍光を発します。蛍光が光電子増倍管の光電陰極に当たると光電子が飛び出し、これが多数の大ノード(二次電子増倍電極)で増幅されて、大きな電気信号が得られます。このパルス電流を計数して放射線を計測します。

GM計数管式サーベイメータについてです。
 GM計数管にβ線が入射すると、内部のガスを電離させます(ガンマ線が入射すると、壁材と作用して内部に電子を放出させ、電子は内部のガスに電離を引き起こします)。電離によって生じたイオンがきっかけとなって管内に「電子なだれ」が生じ、電離が陽曲全体に広がって大きな増幅率をもつため、大きな波高のパルスが得られます。計数(線量当量率)が高くなると「数え落とし」や「窒息現象」を起こすので、注意が必要となります。

液体シンチレーションカウンタの概要についてです。

 低エネルギーβ線放出核種やα線放出核種は、その「飛程」が短いので液体シンチレーション測定法が適しています。その特徴は、試料自体の自己吸収がない、空気層や検出器窓による吸収がない、シンチレータで包囲されているので4π測定が可能などです。一方で試料、添加物、不純物などによるクエンチングを生じ計数効率が悪くなる、調製によってはケミカルルミネッセンスが生じ測定の障害が出るなどの短所もあります。
 これらの特徴を踏まえたうえで、トレーサ実験、環境中の3H測定、14Cを用いた年代測定、環境中(水中)のラドン濃度測定など多くの分野に利用されています。
 一般的に汎用性の高いシンチレータとして乳化シンチレータが使用されています。特徴として溶媒に界面活性剤が添加され、水溶性のサンプルを溶媒中に保持することができます。また、水溶性サンプル及び非水溶性サンプルどちらでも測定可能です。

 液体シンチレーションカウンタの測定原理についてです。
 シンチレータの主成分は有機溶媒であり、シンチレータの効率決定の重要な役割を果たします。効率の良い溶媒には

① エネルギー伝達効率が高い
② 溶質及びサンプルが溶解しやすい
③ 溶質の発光光子に対して化学的に透明
などの性質が求められます。
ベンゼンやトルエン、キシレンなどが用いられています。

 また、溶質として放射線のエネルギーを光に変える蛍光体があります。第1蛍光体は放射線のエネルギーを効率よく光に変え、第2蛍光体は光電子増倍管(PMT)の際好感度に変換する役目を持ちます。これらの溶質には

① 蛍光量子効率が高い
② 蛍光の減衰時間が短い
③ 溶解度が高い
などの性質が求められます。
 第1溶質にはTPやPPO、ナフタレンなどが用いられ、第2溶質にはPOPOPやbis-MSBなどが用いられます。そして放射線励起による液体シンチレーションの発光過程は、放射線エネルギー吸収による溶媒分子の励起、溶媒分子間のエネルギーの移行、励起分子から溶質分子へのエネルギーの移行、溶質分子からの発光によります。液体シンチレータに求められる性質として

① 高引火点
② 高含水率
③ 高計数効率
④ 低蒸気圧
⑤ 低毒性と低刺激性
⑥ クエンチング抑制力
⑦ プラスチックの無透過性
⑧ ケミカルルミネッセンス抑制力
などが挙げられます。

放射線の単位と種類

放射線の基礎的な単位と種類について書いていこうと思います。

 放射線に関連した単位は色々あります。勉強している人は計測学や放射線物理などで出てきたと思いますが、一般の人は良く分からない人も多いことでしょう。そこで、知っている人は確認、知らない人は覚えてもらえたらなと思います。

 まずは放射能の単位でBq(ベクレル)です。これは1秒間に壊変する放射性核種の原子の数です。s-1とも表されます。そして、放射線の単位ではGy(グレイ)と㏜(シーベルト)があります。これらの単位はJ/kgとも表されます。吸収線量やカーマ、シーマ、衝突カーマなどにはGy(グレイ)が用いられます。放射線により物質にどれだけエネルギーが与えられたかを表します。等価線量や実効線量にはSv(シーベルト)が用いられます。これらは放射線や組織による荷重を含めた、放射線が人体にどれだけ影響しているかを表した量です。防護量に用いられます。

  等価線量=吸収線量×放射線荷重係数
  実効線量=等価線量×組織荷重係数
で算出されます。

 放射線関連で用いられるSI接頭辞は様々あります。特にμ(マイクロ)やM(メガ)などは放射線の勉強をしていくと良く出てくると思います。以下に示します。

次は放射線の種類についてです。

 放射線にはα線、β線、γ線、X線、中性子線、陽子線、炭素線など様々あります。透過性についてα線は紙、β線はアルミニウム、γ線やX線は鉛、中性子は水で止めることができます。放射線技師の人が鉛エプロンをつけるのはこのためです。
以下に放射線の透過性についての図を示します。

 α線はα壊変で放出されます。α壊変は原子核中のエネルギーがクーロン障壁のエネルギーが小さくても量子力学的なトンネル効果で核外に放出される現象です。質量数は4、原子番号は2減少します。線スペクトルを示します。壊変定数が大きいほどα線のエネルギーは大きくなります。(ガイガー・ヌッタルの法則)
 β線はβ⁺壊変かβ⁻壊変で放出されます。β⁺壊変では原子番号が1増加し、電子と反ニュートリノが放出されます。また、β⁻壊変では原子番号が1減少し、陽電子とニュートリノが放出されます。連続スペクトルを示します。またβ⁺壊変の代わりに原子核が軌道電子を捕獲する軌道電子捕獲が起こることもあります。
 γ線は核異性体転移で励起状態の原子核が安定な状態に転移するときに放出されます。質量数と原子番号は変化しません。競合して内部転換が生じます。内部転換はγ線放出の代わりに軌道電子が放出される現象です。

この記事を読んで、放射線の単位と種類について少しでも理解して頂けたら幸いです。