X線、γ線と原子との相互作用③

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 電子対生成では、原子に入射した光子は原子核のクーロン場により、消滅して陰電子と陽電子の対を放出します。すなわち、電子対生成が生じるためには、2つの電子を作り出さなければならず、入射電子は電子の静止エネルギー(0.511MeV)の2倍である1.022MeV以上のエネルギーを持っていなければならない。電子対生成で発生する陰、陽電子は入射光子のエネルギーから1.022MeVを引いた残りのエネルギーを分け合って飛び出します。一般に、物質単位質量当たりの電子対生成の断面積は入射光子のエネルギーEから1.022MeVを引いた値、および物質の原子番号Zに比例します。
 一方、軌道電子のクーロン場で電子対生成が起こり、その軌道電子を同時に放出する過程を三対子生成といいます。三対子生成が起こるためには、入射光子のエネルギーは2.044MeV以上なければなりません。三対子生成の起こる確率は一般に電子対生成の半分以下です。電子対生成、三対子生成で放出された電子はその原子の近くでほとんどが吸収されます。放射線治療では、入射光子のエネルギーが約10MeV以上になると電子対生成の寄与が大きくなり、コンプトン散乱に次いで重要な相互作用となります。水、組織の場合、約20MeVの光子エネルギーでコンプトン散乱と電子対生成の起こる確率がほぼ同じになります。

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 光核反応は入射光子がその全エネルギーを原子核に与えて消滅して、励起された原子核から陽子、中性子、π中間子などを放出する反応です。光核反応を起こすためには、各元素それぞれに反応しきいエネルギーがあります。このしきいエネルギーから3~6MeV上のエネルギーで反応が起こる確率が最大となり、これを超えると断面積は次第に小さくなります。陽子と中性子を放出する光核反応のしきいエネルギーは軽元素では10~18MeV、重元素では7~10MeVです。一方、π中間子を放出する光核反応は約140MeV以上で起こります。光核反応の断面積は卑小に小さく、放射線治療では一般に考慮する必要はありません。しかし、放射線治療で10MeV程度に電子などを加速している場合には、照射装置のコリメータ等から光核反応による速中性子が放出されるために、その速中性子線の遮蔽に配慮しなければなりません。

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放射線照射による細胞死

 放射線治療の基本となるのは、放射線照射による癌細胞の死滅であり、同時にその周囲に存在する正常細胞への影響です。これら放射線照射による細胞死には、一般に細胞の間期死と増殖死があります。なお最近の研究では、比較的中程度の線量の照射後に起こる細胞の自爆死(アポトーシス)も観察されています。

 間期死とは、非常に大線量(約50Gy以上)を細胞に投与すると、その細胞機能が失われて細胞が壊れてそのまま死滅する現象です。ここで、間期とは細胞分裂周期における分裂期と分裂期の間という意味であり、間期死とは細胞が次の分裂を経験せずに死滅することをいいます。一般に放射線治療で照射されている1回約2Gyを約30回分割照射する程度の線量域では間期死は起こりません。しかし、リンパ球などは比較的小線量でも間期死を起こします。

 増殖死とは、放射線照射を受けた細胞が何回か分裂した後に、無限増殖能を失い、死に至るのをいいます。増殖死は中程度の線量域で起こり、一般に放射線治療の線量域で起こる癌の細胞死はほとんどが細胞死の形をとります。細胞分裂を繰り返している癌細胞あるいは皮膚、腸上皮、骨髄などの幹細胞に中程度の線量を照射すると、障害を受けた細胞は分裂が抑えられ、あるいは数回分裂をした後に細胞は分裂を停止します。一般的に増殖していない系の細胞機能の間期死を起こすためには約50Gy以上の大線量が必要となるのに対して、増殖能を喪失するためには、通常平均致死線量として2Gy以下の線量で十分です。しかも、このような増殖能を失った細胞を調べるとその細胞代謝は正常です。すなわち、代謝は正常でも、もはや分裂する能力を失い、結局は細胞は増殖できずに死滅します。このような状態を増殖死といいます。一方、分裂を行わない分化した細胞は、一般にリンパ球を除き放射線に抵抗性が強いです。しかし、生体内では放射線照射によって血管の内皮細胞などが障害を受けるので、間接的に分化した細胞も影響を受けます。一般に細胞の生死はその増殖能力の有無で定義でき、結果として、組織、臓器の放射線の影響は放射線照射による細胞欠損が要因です。また、放射線照射により、細胞の分裂時間の遅延(細胞分裂遅延)も生じますが、これは主にDNA複製の開始期が特に放射線に感受性が高いためです。

 自爆死とは、間期死の1つと考えられていますが、何回かの増殖後に生じる増殖死でない自爆死も観察されています。しかし、自爆死については不明な点が多いです。

X線、γ線と原子との相互作用②

 コンプトン散乱では、物質に入射した光子は原子の軌道電子に当たり、そのエネルギーの一部を軌道電子に与えその軌道電子を電離で放出し、残りのエネルギーを持って散乱光子が飛び出します。そのためにコンプトン散乱では、電離で放出された反跳電子と散乱光子が発生します。コンプトン散乱をコンプトン効果ともいいます。コンプトン散乱は入射光子のエネルギーが軌道電子の結合エネルギーと比較して高い場合に起こりやすく、約数100keVから数MeVの入射光子の場合に起こりやすいです。すなわち、一般にコンプトン散乱は軌道電子の結合エネルギーが無視でき、光子と自由電子との相互作用であるともいえます。一般に物質単位質量当たりのコンプトン散乱の断面積は入射光子のエネルギーEに反比例し、物質の原子番号Zには依存しません。コンプトン散乱の相互作用が内殻の軌道電子と起こると、光電吸収と同じように、電離された軌道電子の空位を埋めるために外側の軌道電子が落ち込み、その結果、特性X線あるいはオージェ電子が放出されます。すなわち、コンプトン散乱が起こると、入射光子の持っていたエネルギーは反跳電子、散乱光子および付随して発生する特性X線あるいはオージェ電子の形でその原子の外側に放出されます。一般にコンプトン散乱光子は比較的エネルギーが高く、相互作用した原子から遠く離れた場所まで放出されます。一方、反跳電子のエネルギーは光電子の場合と同じようにその原子の近くでほとんどが吸収されます。また、コンプトン散乱に付随して放出された特性X線、オージェ電子のエネルギーは低く、光電吸収の時と同じようにその物質中で吸収されることになりますが、コンプトン散乱が主になる高エネルギーではその寄与率はほとんど無視できます。
 コンプトン散乱は放射線治療域の数MeVの光子において最も重要な相互作用です。

放射線生物作用の発現過程とRBE

放射線生物作用には発現過程と経過時間があり、物理的過程、化学的過程、生化学的過程、生物学的過程の順に起こります。放射線照射による電離、励起によって作られたラジカルによる反応、主にDNA分子の反応、さらに代謝などの種々の生化学的反応を経て、細胞が損傷を起こし死滅し、最後に生物個体の死へと発展します。すなわち、放射線障害に潜伏期が存在することは、細胞死にいたるその発現過程にある一定の時間が必要であることに起因しているといえる。
現在では、上記のDNA分子の放射線損傷についてはある程度の知識が明らかになっているが、その生化学的過程についてはいまだ多くの不明な点があり、これらは放射線生物学の発展によって、今後解明されると考えられます。一方、その細胞の生死については観測可能であり、まず、細胞の生死を指標として放射線生物作用の多くの研究がなされています。これまでの放射線生物学の研究手法としては、細胞に投与された線量が明らかであり、さらに最終過程である細胞死が観測できる場合に、その中間の発言過程は不明(ブラックボックス)のまま、解析する手法がとられました。その研究手法により、放射線生物学は一応の成果を上げることができました。しかし現在は、いまだ不明な部分の発現過程をより詳しく説明することの重要性が再認識されつつあります。

また、細胞、組織、臓器の生物学的効果を比較するために、一般に次式で定義されている放射線生物学的効果比 RBE(relative biological effectiveness)が用いられます。
RBE=ある反応を起こすのに必要な基準放射線の吸収線量÷同じ反応を起こすのに必要な当該放射線の吸収線量
ここで、基準放射線とは、一般に200keVのX線(LET約3keV/μm)が使われていましたが、現在は使用しやすい60Coで代用される場合が多いです。また、反応する生物学的反応が異なれば、そのRBEも異なり、RBEを提出する場合にはその反応の種類を明確にしなければなりません。

X線、γ線と原子との相互作用①

 X線光子およびγ線光子と原子との相互作用の仕方には、主に干渉性散乱、光電吸収、コンプトン散乱、電子対生成、光核反応の5つがあります。このうち、放射線治療に使用されている数百keVから数十MeVの光子では、特に光電吸収、コンプトン散乱、電子対生成が重要となります。
 干渉性散乱では、入射光子の波長が原子の大きさ(約0.1nm)と同じ程度であるときに起こりやすく、入射光子のエネルギーすべてが原子に吸収され、その原子を振動させ、改めて同じエネルギーの電磁波(光子)を方向を変えて放出する現象です。干渉性散乱にはトムソン散乱、レーリー散乱などがあります。干渉性散乱は数eV程度の光子エネルギーに起こりやすく、一般に放射線治療域ではその相互作用は無視できます。
 光電吸収では、物質に入射した光子が原子の軌道電子に当たり、そのエネルギーをすべて軌道電子に与え、その軌道電子を電離します。一方、入射した光子は完全に消滅するために光電吸収と呼ばれています。光電吸収は光電効果とも呼ばれます。光電吸収が起こるためには、入射光子は軌道電子の電離エネルギー以上のエネルギーを持っている必要があり、入射光子のエネルギーがさらに上昇すると急激にその起こる確率は小さくなります。一般に、物質単位質量当たりの光電吸収の起こる割合(断面積)は入射エネルギーEの3乗に反比例し、物質の原子番号Zの3乗に比例します。生体軟部組織で光電吸収が重要になるのは光子エネルギーが数10keVから約100keVまでの範囲です。放出された光電子のエネルギーは相互作用を起こした原子の近くで吸収されます。光電子の放出に伴い、その生じた空位の軌道を埋めるために外側の軌道電子が移動するとき、軌道電子の遷移に伴って電磁波が特性X線で放出されるか、あるいはより外側の軌道電子がオージェ電子として放出されます。オージェ電子を放出する現象をオージェ効果といいます。すなわち、光電吸収が起こると、入射光子のもっていたエネルギーは光電子および付随して発生する特性X線あるいはオージェ電子の形でその原子の外側へ放出されます。一般に放出された特性X線、オージェ電子のエネルギーは低く、生体組織のような比較的低原子番号物質の場合には、光電子と同じようにその物質中で吸収されます。また、特性X線とオージェ電子の放出率の和に対する特性X線の放出率の割合を蛍光収率と呼びます。

放射線照射によるDNA損傷とその修復

DNAは巨大分子であり、その放射線損傷の機構についてはすべてが解明されているとはいえません。現在、DNAの放射線損傷には、塩基の損傷、塩基の遊離、鎖切断、架橋形成などが考えています。一般にわずかな放射線照射によってもDNAなどで構成されている染色体の異常が見られます。
 DNAの塩基であるチミンやシトシンのピリミジン、およびアデニンやグアニンのプリンは放射線照射によって生じたラジカルと反応して種々の化合物に変化する可能性があります。また、塩基の遊離はDNAの糖-リン酸結合が切れずに起こる場合と、DNA鎖切断に伴って起こる場合があります。一般にDNAは二重螺旋構造であり、その一方の鎖切断が起こると単鎖切断(1本鎖切断)、両方に切断が起こると2本鎖切断と呼びます。単鎖切断は約20eV当たりに1つ生成され、2本鎖切断は約200~400eVで1つ作られます。哺乳類細胞では、X線、γ線、電子線等の低LET放射線、1~1.5Gyの照射により、単鎖切断は約1000個、2本鎖切断は約50~100個、チミン損傷は約200~300個が生成されます。一方、高LET放射線では単鎖切断に対する2本鎖切断の割合が増えます。また、2本のDNA鎖の塩基にラジカルが生じた場合、塩基間に共有結合が形成され、両鎖の架橋が作られ、片方の塩基同士で共有結合が起こる架橋、核タンパク質との架橋も存在します。しかし、これらのDNA分子の変化や塩基の遊離、架橋がDNAの放射線損傷にどの程度の役割を果たしているのかは不明で、現時点では、主に2本鎖の同時切断がDNAの放射線損傷では重要な役割を果たしていると考えられています。すなわち、単鎖切断は2本鎖切断に比べて速やかに修復されます。
 損傷を受けたDNAはなんらかの方法で修復されれば、その細胞はそのまま分裂を続けます。しかし、修復されない損傷が蓄積されたり、損傷が何回かのDNA複製により固定化されたり、損傷を受けた部位が誤って修復されたりすると、細胞は分裂によって致死に至ります。一般に、DNAが修復のほとんどは修復されています。すなわち、放射線照射による細胞死は主にDNAが修復されずに損傷が残った場合に起こっていると考えられています。現在、塩基損傷に対する修復には。酵素による修復、除去修復、組み換え修復などの機構が提出され、DNA損傷の修復機構について急速に解明されつつありますが、いまだに不明な点が多いです。

直接作用と間接作用

 標的ヒットモデルでは、細胞核内の標的である主にDNAに放射線がヒットすれば細胞が死滅すると仮定しましたが、ヒットをいわゆる直接的なDNA分子の電離、励起作用のみで説明するには無理があることが明らかになりました。すなわち、細胞を死滅さすためには乾燥状態で放射線を照射すると水溶液状態で照射した場合の約10~100倍の線量が必要になります。このことは、放射線の殺細胞効果は放射線の照射により標的(DNA)が直接的に電離、励起されることによって致死に至る直接作用と、生体等には約80%が水物質で構成されていることを考えると、まず放射線照射により水を電離、励起することにより生じたラジカルが細胞内のDNA分子に作用して、その細胞を致死にいたらしめる間接作用が存在することで説明できる。
 直接作用では、放射線によって直接的に電離、励起されたDNA分子の共有結合等が切れて2つのラジカルに分裂したりします。それが原因で細胞が死滅すると考えられます。しかし一般に、それらのラジカルの寿命は比較的長く、平均10-5sです。一方生体等の放射線生物効果の多くは間接作用によっているとも言えます。間接作用ではスーパーオキシドラジカル、水素ラジカル、水酸化ラジカル、過酸化水素、水素、水和電子などが生じます。
水の電離、励起の結果として作られたこれらのラジカルは約10-12s間にその放射線の飛跡にそってスパーを形成します。このラジカルの分布は高LET放射線では密に、低LET放射線では疎に分布します。さらに10-7s後では再結合して過酸化水素、水、水素などの生成物を得ます。
 ラジカル同士が再結合を起こさずに拡散すると、約2mm以内に存在するDNA標的分子に付着します。特に、DNA損傷の大部分は水酸化ラジカルによるものと考えられています。また、生成された有機ラジカルは、生体中では生体ラジカルとして分子損傷を起こします。このようなラジカルがDNAのような標的分子に生じると最終的に細胞死を起こすと考えられています。
 細胞死を指標とした場合、DNAに対する直接作用と間接作用の比は低LET放射線では約1:2~1:3であり、間接作用による損傷のほうが多いです。

第一種放射線主任者試験

第一種放射線取扱試験についてです。

 放射線に関連する仕事をしているあるいはこれからする予定の人は持っておいた方が良い資格です。持っていると放射線技師になる学生は病院就職に有利と言われています。
 試験は毎年8月下旬に行われ、放射線に関して物理、化学、生物学、法律、物化生の五肢択一の各30問と物化生、管理・計測の多肢択一の各6題で2日間にわたって行われます。各科目5割以上、全体で6割以上で合格となります。
試験会場は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡です。
 勉強法ですがこのサイトにオススメ本を2冊、以下にで載せておこうとおもいます。この過去問と概論の2冊を使ってしっかり勉強すれば合格できると僕は思います。大学の教授や先輩方も勧めています。法律は年々結構変わっていくので最新版を買うべきだと思います。試験前見直すように重要ポイントをノートにまとめておくのも一つの手です法律は年々結構変わっていくので最新版を買うべきだと思います。あまり知識のない方(大学1,2年生など)は過去問を解き、間違えたところやあいまいなところを概論でしっかり見直して定着させると良いと思います。概論にも問題があるので解いてみるのも良いです。(僕の場合は3回くらい過去問を繰り返したら2年生で合格できました。)結構自信のある方(大学3,4年生など)は過去問を解き、概論で復習していけば大丈夫だと思います。試験前見直すように重要ポイントをノートにまとめておくのも一つの手です。

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診療放射線技師国家試験

 毎年、診療放射線技師国家試験は2月下旬ころに行われます。

 受験値は例年北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県及び福岡県などです。
ただし、行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律(昭和58年法律第83号。以下「58年改正法」という。)による改正前の診療放射線技師及び診療エツクス線技師法(昭和26年法律第226号。以下「旧法」という。)に定める診療エツクス線技師試験(以下「診療エツクス線技師試験」という。)又は法附則第7項の規定による試験(以下「特例試験」という。)に合格した者であって、受験願書にその旨を記載し、試験科目の免除を受けて診療放射線技師国家試験を受けようとするものについては、東京都に限る、となっています。
僕は大学が青森県だったので、札幌で受験しました。

 試験科目は基礎医学大要、放射線生物学(放射線衛生学を含む。)、放射線物理学、放射化学、医用工学、診療画像機器学、エツクス線撮影技術学、診療画像検査学、画像工学、医用画像情報学、放射線計測学、核医学検査技術学、放射線治療技術学及び放射線安全管理学
ただし、ただし書に該当する者については、次の科目を免除する、となっています。
基礎医学大要、放射線生物学(放射線衛生学を含む。)、放射線物理学、医用工学、エツクス線撮影技術学、画像工学、放射線計測学及び放射線安全管理学です。
試験は1日で終わり、午前100問、午後100問で計200問程度でした。結果は3月下旬ころ分かります。

 合格には120点以上で0点の科目がないことが必要です。
どのように対策すれば合格できるか、僕の体験を元に書いていきたいと思います。

 僕が一番大切だと思うのは過去問を多く解くことです。できれば過去10年分くらいして、しっかり復習すれば大丈夫だと思います。時間があれば2回3回くらい繰り返し解けば、より身に付くことでしょう。国家試験は問題集を買わなくても厚生労働省のホームページに掲載されているので、そちらでPDFをダウンロードすることもできます。
 大学4年生の方は日頃の授業の勉強などをしっかりしていれば、過去問を解いたときに6割は越えると思います。ほぼ出る問題は決まっているので、必要な計算の公式や用語などはきちんと覚えておく必要があります。公式などを忘れると勘で解くことになってしまいます。意外と授業ノートや授業で貰ったプリントなどが役に立つこともあります。そして、あまり色んな参考書に手を出さずに、1冊の問題集を完璧にすることを目指す方がオススメです。

 以下に私が対策に使用していたテキストを示します。
使いやすいのでおススメです!
基本的にはMyテキストに線を引きながら、イエローノートやブルーノートで細かい部分を確認する感じで勉強してました。

例年合格率は80%以上となっているので、しっかり勉強していれば大丈夫だと思います。

この記事が受験者の皆さんにとって少しでも役立てば幸いです。

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放射線の定義とエネルギー

 放射線治療において、放射線そのものの物理的基礎知識を理解しておく必要があります。放射線治療に使用されている放射線、放射能、および種々の放射線と物質との相互作用について説明します。

 放射線とは、一般に空間および物質を通じてエネルギーを伝える能力を有する電磁波および粒子線をいいます。

 X線、γ線は電磁波であり、質量、電荷をもちません。これらは発生の仕方によりのみ区別され、ともに同じ電磁波です。その真空中の伝搬速度はどの電磁波でもすべて同じで、
その速度cは、
c=約3×106m/s
です。電磁波のエネルギーEは
E=hv
で表されます。ここでhはプランク定数で
h=約6.63×10-34
であり、vは電磁波の振動数です。
電磁波の振動数v(1/s)、波長λ(m)および速度(m/s)の関係は
v=cλ
で表されます。X線の波長は10-8~10-14mであり、γ線の波長は10-12m程度です。
一般に電磁波は波としての性質と粒子としての性質の両方を持ち、光子束または光量子束の流れ(光子線)です。

 一方、電子線、陽子線、中性子線、π中間子線、重荷電粒子線等は、ある質量を持った粒子線です。
運動しているときの粒子の全エネルギーW(質量エネルギー)は、アインシュタインの質量とエネルギーの等価式より、
W=mc2
で与えられます。ここで全エネルギーWはその粒子が止まっているときの静止エネルギーm0c2と運動エネルギーEの和で表されます。
W=E+m0c2
ここでm0 は粒子の静止質量です。放射線のエネルギーは一般に運動エネルギーEで表します。
一般に、放射線のエネルギーの単位をしてはエレクトロンボルト(eV)
1eV=1.602×10-19J
です。

 医療で使用する放射線とは、通過する物質との相互作用の結果、その物質を電離する能力を有する電離放射線をいいます。すべての物質は原子から構成されています。その原子は核子である陽子と中性子からなる原子核とそのまわりの軌道電子から構成されています。電離とは軌道電子をその原子の束縛から解き放ち、放出することをいいます。電離放射線は直接電離放射線と間接電離放射線に分類されます。
 すなわち、入射放射線(一次放射線)が物質に入射して、その一次放射線によって軌道電子を電離する能力が大きい放射線を直接電離放射線といいます。一般に電子線、陽子線、重荷電粒子線などが分類されます。
 一方、相互作用の結果として二次的に放出された二次放射線による電離能力が大きい放射線を間接電離放射線といいます。一般にX線、γ線、中性子線が分類されます。